岡田佳子
三年目の看護師として
ここ新京都南病院で看護師としてのキャリアを始め、もうすぐ三年が経とうとしています。学生時代の実習で、食道癌の患者さんが劇的に回復されていく姿を見て、急性期の患者さんとも関われる病院をと、この新京都南病院を選びました。
もともと看護師を志した理由は女性として独立するため、また実体験として看護師の方にお世話になった経験から、自分もこんな風に人に頼りにされる仕事をしたいと思ったためです。現在の病棟での勤務は、本当に様々な病状で入院される方ばかりですので、なかなか慣れなかったりもしますが、色々な患者さんと触れ合えることはやりがいでもあります。
患者さんの力を引き出す看護
先ほども少しお話ししましたが、学生時代の実習で出会った患者さんのことはよく覚えています。毎日大変ではありましたが、1対1で患者さんと密に関わるという、今となっては望んでも出来ないような貴重な体験でした。その中の一人で、今でも深く印象に残っている患者さんがいらっしゃいます。
90歳を超えられたその方は、寝たきりでトイレに行くことが出来ず、おむつを着用されている状態でした。何とかトイレの習慣をつけてもらおうと、車椅子に座ってもらったり、尿器を当てたり、できる限りの工夫を凝らしました。実習期間の三週間が終わる頃に、その患者さんが尿意を訴えられ、ご自身で車椅子に乗りトイレへと向かわれました。その光景を目にしたときに、患者さんとしっかり向き合って関わることで、患者さんの力をこんなにも引き出すことができるのだと、とても嬉しく感動したことを今でも覚えています。
先輩としての自覚
この四月から私も四年目の看護師となり、先輩として見られる立場へとなっていきます。私が新人の頃、指導していただいたプリセプターの方は、あらゆる業務を完璧にこなされると同時に、後輩の私に対しての指導も完璧でした。
アメとムチを適切に使い分けた指導で、大事な場面では厳しく指導してくださり、何か出来たときにはしっかりと褒めてくださいました。例えば、私が何かを上手くできたときには、お褒めの言葉を書いたメモをこっそりと入れてくださっていました。そのメモを受け取ったときは、とても嬉しかったことを覚えています。
私もこんな先輩になれたらと思っているのですが、まだまだ頼りないところもあるので、一歩一歩成長していきたいと思います。