布山由望
原点を忘れずに
看護師になろうと思ったきっかけは、祖母の入院です。私が小学6年生だったとき、祖母がくも膜下出血で倒れて京都南病院に運ばれたのです。心配だった私 は、病床に臥す祖母をたびたび見舞いに行き、祖母の食事介助をしていました。すると、担当の看護師さんが「看護師に向いているね」と私に言ってくれたので す。その言葉がうれしくて「看護師になりたい」という夢を抱くようになりました。
中学・高校時代はバレーボールに明け暮れていましたが、高校3年生のときに母が心筋梗塞で倒れました。そのときに「看護師に向いているね」と看護師さんに 言われたあの言葉が、ふと私の脳裏をよぎったのです。そこで、看護師になろう、人を助ける仕事をしようと決心するに至りました。
看護師を目指すきっかけを作ってくれたこの病院に勤めることで、私の原点である「人を助けよう」と決心した当時の気持ちを常に忘れないでおきたいと思っています。
経験が今の自分をつくってくれた
看護師として初めて配属されたのはICUでした。その頃は、亡くなっていかれる患者さんに何もしてさしあげられず、無力感にさいなまれることもありまし た。その一方で、看護師として医療に携わりながら、たくさんの知識を身につけることが出来て、充実した期間でもあったように思います。
現在は、病棟で患者さんの看護をしつつ、看護学生の指導も行っています。看護学生を指導するのは初めてで、学生さんに言いたいことが本当に伝わっているか どうか不安に思うときもありますが、学生さんの反応を見ながら学生一人ひとりのペースに合わせつつ、あの手この手と試行錯誤している毎日です。
大変ではあるものの、ICUと病棟で積み重ねてきた経験の一つ一つが、今の看護師としての自分をつくり上げているように感じます。
協力し合える職場でありたい
看護師になってまもなく9年目になります。振り返ってみて思うことは、看護師という職業は一生勉強し続けていかなければならないということと、一人では守 れない命が数多くあるということです。これは看護学生の頃にも言われていたと思うのですが、看護師としての経験が長くなり、学生を教育する立場にもなって 改めて強く感じます。
だからこそ、同じ職場に働く看護師が互いに学び合い、成長し合う。悩みがあっても一人で抱え込むのではなく、気軽に話しあって問題の解決に向けて協力でき る。そういう職場であり続けられたらと思います。そういう雰囲気を作り出すことが出来るような看護師に目指してがんばり続けたいですね。